在留資格(ビザ)の更新・変更について

在留資格変更許可申請とは、ビザを有する外国人が在留目的を変更して新たに別のビザに該当する活動を行おうとする場合に、従来有していたビザから新しいビザに変更する許可を得るための申請です。

一方、在留資格更新許可申請とは、中長期のビザをもって日本に在留する外国人の方が、ビザの更新をするための手続です。申請してから許可が下りるまでの標準処理期間は、いずれも2週間~1ヶ月となっております。

この在留資格の変更、在留期間の更新許可については、令和2年2月にガイドラインが公表されています。在留資格の変更、在留期間の更新許可では、全ての要件を満たすことが求められていますが、全てを満たしても、その他の事情を勘案して変更が許可されないこともあるとされています。

ガイドラインのポイントについて確認してみましょう。

1.在留資格の変更、在留期間の更新許可のポイント

1-1.行おうとする活動が在留資格に該当している

入管法は、外国人が日本において行う活動を「在留資格」というカテゴリーに分けて規定しています。この「在留資格」にあてはまる活動を行なう場合にのみ、外国人は日本に滞在することができ、これを「在留資格該当性がある」といいます。

1-2.上陸許可基準に適合している

在留資格のカテゴリーごとに定められた、基準に適合している必要があります。(なお、日本人の配偶者等など、基準が定められていないものもあります。この上陸許可基準は、外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準です。在留資格の変更及び在留期間の更新の場合でも、この上陸許可基準に適合していることが求められます。

1-3.現に有する在留資格に応じた活動を行っている

申請人である外国人が、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。

例えば、失踪した技能実習生や、除籍・退学後も在留を継続していた留学生については、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き、消極的な要素として評価されてしまいます。

1-4.素行が不良でないこと

素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価されます。具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。

留学生が変更や更新の許可申請をしたとき、不許可になる最も多い理由が「在留状況」です。留学生は資格外活動居を取得することでアルバイトをすることができますが、オーバーワーク(28時間制限)は入管法で定める犯罪となり、在留状況が不良で不許可となります。

1-5.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります。)が求められます。

仮に、公共の負担となっている場合であっても、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断することとなります。

1-6.雇用・労働条件が適正であること

アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常、申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して判断することとなります。

1-7.納税義務を履行していること

納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。アルバイトをしているときは自分で納める必要がありますので、留学生でアルバイトをしている方などは、未納分がないか注意しておく必要があります。

1-8.入管法に定める届出等の義務を履行していること

ビザ(在留資格)をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は、在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

2.当事務所がお手伝いできること

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドラインについてポイントをまとめてみました。在留資格の変更、在留期間の更新許可のときは、予め確かめてから申請をするようにしてください。外国人の受け入れ数は年々増加傾向にあり、今後は各要件の審査が厳格化する可能性も十分にあります。

当事務所では、ビザ申請専門の申請取次行政書士が、このような在留資格の変更、在留期間の更新許可申請をサポートしております。どうぞお気軽にご相談ください。

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