短期滞在ビザは、人の国際交流の活発化に対応し、観光、親族訪問、短期商用等のため、日本に短期間滞在する外国人を幅広く受け入れるために設けられたビザです。この短期滞在ビザでは、90日、30日又は15日以内の日を単位とする在留期間が与えられますが、外国人が就労活動や資格外活動を行うことができないビザです。
短期滞在ビザの申請先は、申請者ご本人がお住いの国・区域を所轄する日本大使館や領事館などの在外公館です。日本国内の地方出入国在留管理局などではありませんので、間違えないよう注意しましょう。
この記事では、短期滞在ビザについての情報、取得するための要件や流れにについて、ビザ専門の行政書士が詳しく解説しております。
このページの目次
査証(ビザ)免除について
現在、71の国・地域がビザ免除国・地域として定められています。ビザ免除国のパスポートを持つ外国人は、短期滞在目的(短期滞在ビザに該当する活動を目的とする場合)であれば、ビザがなくても来日することができます。これを査証(ビザ)免除といいます。ただし、このようなケースでも、入国審査は必要となります。
外務省webサイト ビザ免除国・地域(短期滞在)
⇒ https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html
査証免除国の外国人の方が、日本入国の際に与えられる在留期間は、インドネシア及びタイは「15日」、ブルネイは「14日」、アラブ首長国連邦は「30日」、その他の国・地域については「90日」となります。在留期間は、「1ヶ月」や「3ヶ月」ではなく、「30日」や「90日」であることに注意しましょう。
査証(ビザ)免除国以外の国(中国やベトナム、マレーシア、フィリピンなど)から日本に入国しようとする場合は、短期滞在ビザを取得する必要があります。
本国や日本の受入先などで必要書類を集め、申請人がすべての必要書類を持って、本国の日本国大使館・領事館で短期滞在ビザの申請をします。書類に不足や不備があった場合はビザが発行されないことになります。
短期滞在ビザの要件
入管法では、短期滞在ビザに該当する活動内容は、次のように規定されています。
本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動
短期滞在ビザの主な要件
・90日以内の滞在であること
・目的が観光、商用、知人親族訪問であること
・報酬の有無について
90日以内の滞在であること
短期滞在ビザの在留期間は、90日、30日又は15日以内の日を単位とする期間と定められているため、「短期間」とは90日以内の一時的な滞在を意味しています。
目的が観光、商用、知人親族訪問等であること
具体的には、次のような活動が該当します。
- 観光、娯楽、参詣、通過の目的での滞在
- 保養、病気治療の目的での滞在
- 競技会、コンテスト等へのアマチュアとしての出席
- 友人、知人、親族等への訪問、親善訪問、冠婚葬祭等への出席
- 見学、視察等の目的での滞在
- 教育機関、企業等の行う講習、説明会等への参加
- 報酬を受けないで行う講義、講演等
- 会議その他の会合への参加
- 本邦に出張して行う業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査、その他のいわゆる短期商用
- 我が国を訪れる国公賓、スポーツ選手等に同行して行う取材活動費、本国での取材活動に付随した一時的用務としての報道、取材活動
- 本邦の大学等の受験、外国法事務弁護士となるための承認を受ける等の手続
- 報酬を受けずに外国の大学生等が学業等の一環として本邦の公私の機関に受入れられて実習を行う90日以内の活動(90日以内の無報酬でのインターンシップ)
- その他本邦において収入を伴う事業を運営し又は報酬を得る活動をすることのない短期間の滞在
報酬の有無について
収入を伴う事業を運営する活動又は報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものと除く。)を受ける活動は、活動内容、報酬を受ける期間及び金額の多寡にかかわらず短期滞在ビザの活動には配当しません。
「収入を伴う事業を運営する活動」とは、「収入を伴い」かつ「一定の目的の下での同種行為の反復継続的な活動」のことです。個人・法人や営利目的の有無を問わないとされています。例えば、「報酬を受ける活動」とはならないものの「収入を伴う事業」である場合(農業等)や営利目的ではない団体(学校等)の運営等も「収入を伴う事業を運営する活動」に当てはまることになります。
このように、短期滞在ビザは、日本で就労活動をすることが認められていません。就労活動をすると不法就労となり、強制的に出国させられることもありますので注意が必要です。
短期滞在ビザの種類や期間
短期滞在ビザの在留期間は、90日、30日、15日以内の日を単位とする期間で認められ、招へい理由や活動内容、滞在予定などに応じ、総合的な審査を経て、日数が決定されます。
短期滞在ビザには、有効期限内で一度だけ出入国が可能なシングルビザと、有効期限内であれば何度でも出入国が可能なマルチビザがあります。
短期滞在ビザでは、病気やケガなどのやむを得ない理由や特別な事情などがある場合を除き、原則、更新することはできません。
短期滞在ビザの必要書類
所轄の在外公館(日本国大使館や総領事館)のホームページ等で必要書類を確認し、申請人、日本に呼び寄せる招へい人、日本での身元保証人との関係や日本滞在の目的、期間、滞在場所などにより、必要書類を選択し準備をするようにしましょう。不明点がある場合は、管轄の在外日本公館へ電話やメールで問い合わせるほか、外務省ビザ・インフォメーションで確認することもできます。
(参考)在外公館リスト
⇒ https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/index.html
(参考)ビザの相談に関する相談受付
⇒ https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/otoiawase.html
(参考)ビザの申請方法
⇒ https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/index.html
短期滞在ビザの申請の流れ
来日予定の2~3ヶ月前から準備を始めると、スムーズに短期滞在ビザを取得して来日することができます。
- 必要書類のリストアップ
外務省のwebサイトで、申請人の住んでいる場所を管轄する在外日本公館を確認し、そのホームページを参照して、必要書類をリストアップします。 - 必要書類の収集(当該外国人の本国&日本)
必要書類は、申請人の国籍や招聘する日本の会社の状況等によって異なります。
申請書などは外務省のサイトから入手し、住民票や課税所得証明書、納税証明書などは役所で取得します。 - 申請書類の作成
招聘経緯書、招聘理由書、滞在計画、関連資料などを作成します。 - 書類の郵送
完成した書類は申請人のもとへEMSなどで郵送します。 - 大使館や総領事館などに申請書類を提出
短期滞在ビザは本人申請が原則のため、申請人が大使館や総領事館などに申請書類を提出します。中国、フィリピン、ベトナムなどの一部国・地域では、大使館や総領事館が承認した代理申請機関と呼ばれる窓口へ申請書類を提出します。 - 審査~入国
通常の短期滞在ビザの申請期間は1週間程度です。何かしらの要因で、1ヶ月程度まで審査期間が長期化する場合もあります。短期滞在ビザの有効期間は3ヶ月です。有効期間内に入国するようにしましょう。
短期滞在ビザの申請を行政書士に依頼する
万が一、短期滞在ビザ発給が拒否されると、6カ月間は再申請ができなくなってしまいます。本業でお忙しく、申請書類作成や必要書類収集の時間が無い方や、初めての申請で自信が無い方などは、ビザ申請専門の行政書士に、必要書類の収集や、申請書類の作成を依頼すると良いでしょう。効率的に短期間で、これらの作業を進めてくれると思います。
⇒ 彼氏や彼女を日本に呼びたい
⇒ 両親を日本に呼びたい
⇒ 兄弟姉妹を日本に呼びたい
⇒ 夫や妻を日本に呼びたい
⇒ 子どもを日本に呼びたい
⇒ 友人を日本に呼びたい
⇒ 商談のために日本に呼びたい
⇒ 短期滞在ビザの申請方法が分からない
⇒ 何の資料を準備したらいいか分からない
⇒ 申請書の書き方がわからない
⇒ 招へい理由書の書き方が分からない
⇒ 身元保証書の書き方が分からない
このようなお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。
ビザ申請、永住申請や帰化申請専門の申請取次行政書士が、短期滞在ビザの申請をサポートしております。