帰化申請が受理されて約2~3か月後、法務局から面接実施の連絡があります。決められた日時に法務局へ出頭し、面接を行います。面接は全て日本語で行われます。この面接には、帰化申請の依頼を受けた行政書士であっても同席することは出来ません。
これは、帰化申請は本人申請であり、行政書士による代理申請はできないためです。このような理由と、個人情報保護の観点から、申請者と法務局審査官のみで面接が行われます。
このページの目次
1.帰化申請に面接がある理由
面接がある主な理由は、3点です。
- 提出された申請書類の内容は本当のことが書かれているかどうかの確認
- 申請書に書かれていない内容についての確認
- 日本人として認めていいだけの日本語能力があるかどうかの確認
2.面接で質問される内容
質問される内容は申請者によって異なりますが、おおむね次のような内容について質問があります。
① これまでの経緯
どこで生まれ、なぜ日本にきたのか、どのくらいの期間、日本に住んでいるのかといったことについて質問があります。なぜ帰化したいのか?といった帰化の動機は重要な質問です。必ず答えられるようにしておきましょう。
- 出生地について
- なぜ日本にきたのか?
- 居住歴について
- 職歴について
- 帰化の動機について
② 仕事について
申請書類の内容と合っているか、在留資格に応じた活動ができているのか、生活の安定性等について質問があります。転職している場合は、転職理由についても質問があります。
- 現在の仕事について(会社名、業種、担当業務)
- 職歴について
- 年収について
- 職場環境について
③ 家族構成について
家族構成や同居者の有無について質問があります。
- 帰化することについての家族の賛成・反対について
- 日本にいる両親や兄弟姉妹の帰化状況について
- 同居者等の状況について
④ 婚姻歴等について
婚姻歴、子供の人数等について質問があります。離婚歴がある場合はその経緯や詳細について。結婚されている方は、配偶者と知り合った経緯などが聞かれます。離婚歴の有無についても確認をされます。また、独身の方は婚約者の有無や結婚の意思について聞かれることもあります。結婚後は日本から離れるつもりの方は・・・、許可されない可能性が高いと思います。
- 婚姻歴
- 離婚歴
- 子供の人数
⑤ 法令順守状況
反社会的活動の有無や、納税状況、交通違反歴、犯罪歴を確認するための質問があります。
- 税金の支払い状況
- 年金、健康保険料等の支払い状況
- 交通違反歴
- 犯罪歴の有無
- 銀行口座から多額の出入金がないか
3.面接の注意点
① 申請書一式の控えを再確認し、記載内容を復習しておきましょう
申請者と家族のビザの記録なども調査した上で面接があります。これらの調査で得られた情報を元に、審査官は質問を行ってきます。慌てず落ち着いて答えるようにしましょう。
② 質問には素直に答える、嘘はつかないようにしましょう
法務局は職権で、申請者に関する様々な資料を取り寄せることができます。申請書に書かれていない内容についても質問があります。審査官も必要があって質問しています。協力的な態度で、質問には素直に答えるようにしましょう。それと、嘘は厳禁です。
万が一、記憶が曖昧な内容について質問があったときは、そのことをきちんと伝えた上で、質問に答えるようにしましょう。受け答えの様子や態度なども観察されます。
③ 身だしなみは整えて面接に臨むようにしましょう
面接時の服装関係について特に指定はありませんが、審査官も人間、やはり第一印象は大切です。これから日本人として生きていくためにも大切なことだと思います。