国籍法の第5条から第9条で帰化は、普通帰化、簡易帰化、大帰化の3つに分類されています。この3種類の帰化の違いは、帰化できる要件です。普通帰化が通常の帰化となり、状況によっていくつかの要件が緩和されたものが、簡易帰化や大帰化となっています。
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1.帰化とは
日本に住んでいる外国人が、日本の国民すなわち日本人になりたいと考えた場合、自分から願い出ることによって、最初の国籍を捨て、日本の国籍を得て日本人となることができます。
国籍法では、第4条第1項で「日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる。」とし、同条第2項で「帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。」とされています。
帰化は、外国人であれば誰にでも申請(帰化許可申請)することが認められていますが、法務大臣の自由裁量に基づく許可により効果を生ずる仕組みになっています。
帰化許可申請は、住所地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経由してする必要があり、外国人自ら管轄法務局へ出頭し、書面によりしなければなりません。
帰化許可申請の際には様々な必要書類があり、合計で100枚を超えてしまうことも珍しくはありません。また、帰化許可申請書類に形式上の不備が無く、法務局に受理されたとしても、必ず許可になる訳ではありません。
2.帰化の種類
2-1 普通帰化
普通帰化は、法第5条1項に規定されている帰化要件(① 居住要件 ② 能力要件 ③ 素行要件 ④ 生計要件 ⑤ 重国籍防止要件 ⑥ 憲法遵守要件 ⑦ 日本語能力要件)をすべて満たしたうえでおこなう通常の帰化申請をいいます。
2-2 簡易帰化
簡易帰化は、法6条~8条の条件を満たした場合、帰化申請の要件である居住要件・能力要件・生計要件などが緩和される帰化申請のことをいいます。特別永住者の方や日本人と結婚している外国人の方が該当する場合が多くあります。
2-3 大帰化
日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、法第5条第1項の規定にかかわらず、普通帰化の要件を満たしていない場合でも、国会の承認を得て、その帰化を許可することができます。
これを大帰化といい、他の帰化と同様に、帰化許可申請により開始し、帰化の効力は官報に告示された日に生じます。しかし、これまで大帰化が認められたケースは一度もありません。
2-4 帰化の効力発生日
法第10条第1項で、法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない、同条第2項で、帰化の効力は告示の日から発生すると定められています。
3.まとめ
大帰化に該当しないことは仕方ないとして、特別永住者の方や日本人の配偶者の方などは、要件が緩和される簡易帰化に該当していることも多いと思います。話を詳しく聞いてみたい、自分が該当しているのかわからないなど、ご不明な点がありましたら、そうぞお気軽に行政書士たつかわ事務所へお問い合わせください。