企業単独型・団体監理型の基準とは

技能実習には、技能実習生の受入機関別に、企業単独型と団体監理型の2種類があります。企業自身が直接技能実習生の受け入れを行う企業単独型での受け入れは、海外に支社や支店がある場合など、海外との繋がりがある企業に限られているため、多くの企業は監理団体を通して受け入れを行う団体監理型の受入れを行っています。

ここでは、技能実習制度における企業単独型と団体監理型の違いについて解説してみたいと思います。

1.企業単独型

企業単独型とは、日本の企業等が海外の現地法人・合弁企業又は一定の密接な関係を有する機関の職員を受け入れて技能実習を実施するものです。

1-1.海外の現地法人・合弁企業の職員を受け入れる企業単独型

この区分は、「本邦の公私の機関外国にある事業所」の職員を受け入れるものです。

具体的には、本店・支店の関係にある事業所、親会社・子会社の関係にある事業所、子会社同士の関係にある事業所、関連会社の事業所等の職員です。

1-2.一定の密接な関係を有する機関の職員を受け入れる企業単独型

この区分は、「本邦の公私の機関と主務省令で定める密接な関係を有する外国の公私の機関外国にある事業所」の職員を受け入れるものです。密接な関係を有する機関とは、具体的には、下記の(a)又は(b)を意味しています。

(a) 日本の公私の機関と引き続き1年以上の国際取引の実績又は過去1年間に10億円以上の国際取引の実績を有する機関

(b) 日本の公私の機関と国際的な業務上の提携を行っていることその他の密接な関係を有する機関として法務大臣及び厚生労働大臣が認めるもの

(b)の適用を受けようとする場合には、必要書類を提出し、密接な関係を有することを証明する必要があります。

2.団体監理型

団体監理型は、非営利の監理団体(事業協同組合、商工会等)を通じて、技能実習生を受入れ、傘下の企業等で技能実習を実施するものです。団体監理型の場合には、海外に拠点がない企業でも技能実習生の受入れが可能となります。

現時点で技能実習のほとんどはこの団体監理型でおこなわれているため、技能実習のほとんどのケースでこの監理団体が携わっていると言うことができます。

2-1.許可を受ける必要性

技能実習制度において、監理事業を行おうとする者は、予め、主務大臣から監理団体の許可を受ける必要があります。申請書と許可基準を満たすことを証明する添付資料を添えて、外国人技能実習機構に申請しなければなりません。

2-2.監理団体の許可の区分

監理団体の許可には、事業区分として、以下の2つの区分があります。

① 特定監理事業

第1号、第2号のみの技能実習の実習監理が可能。

② 一般監理事業

第1号、第2号及び第3号の技能実習の実習監理が可能。

一般監理事業の許可を受けるためには、更に高い水準の基準を満たした優良な監理団体でなければなりません。

また、監理団体は、事業区分を変更する場合しようとする場合には、主務大臣の許可を得なければなりません。

2-3.監理団体の許可の有効期間

監理団体の許可の有効期間は、特定監理事業の場合は3年又は5年で、改善命令や業務停止命令を受けなかった場合だけ許可の更新時に5年で申請することができます。一般監理事業の場合は5年又は7年で、改善命令や業務停止命令を受けなかった場合だけ許可の更新時に7年で申請することができます。

2-4.許可の更新

許可の有効期間の満了後引き続き当該許可に係る監理事業を行おうとする者は、有効期間が満了する日の3ヶ月前までに更新申請書を外国人技能実習機構に提出しなければなりません。許可の有効期間の更新申請に際しては、許可基準を満たしていることを証明する添付資料とその他必要な資料を提出しなければなりません。

3.技能実習生の在留資格

企業単独型による場合の在留資格は、「技能実習イ」という在留資格になり、団体監理型による場合は、「技能実習ロ」という在留資格になります。受入機関別と技能実習の年数に応じて、在留資格「技能実習」は以下の6つに分類されます。

  技能実習1年目 技能実習2~3年目 技能実習4~5年目
企業単独型 技能実習1号イ 技能実習2号イ 技能実習3号イ
団体監理型 技能実習1号ロ 技能実習2号ロ 技能実習3号ロ

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